【政策提言】若者も高齢者も、みんなが“納得”できる社会保障制度をつくります。

  • 法整備と制度設計:認知症基本法案の成立を
  • 社会で支え合う:経験したからこそ知る現場の想い
  • 国の予算付け:認知症患者の増加にも対応する社会保障制度を

自身の介護経験から

現在、日本には認知症患者の方は約500万人いらっしゃるとされています。今後、2025年には5人に1人の割合となる約700万人に増加すると言われており、若年性認知症の問題も潜在的に抱えています。

私自身、認知症の祖母を抱えながら子育てをして参りました。(動画をご覧ください)

医療・介護支援制度の現実と現場の抱える課題は、机上で解決するものではありません。家族が介護を必要となった人、介護を仕事とする人、介護を受けるようになった人。たくさんの方々のお気持ち、生活、様々な状況がそれぞれあって、一つとして同じ環境のないものが介護だと思います。

環境大臣に就任した次の日に祖母の介護疲れで倒れた母。自身も幼子を育てている中での出来事で、現在の医療・介護制度の問題と現場の抱える課題に直面するきっかけとなりました。

認知症基本法案

先月6月20日、自民党公明党による共同提案で、認知症バリアフリーの社会を築く『認知症基本法案』を衆議院事務総長へ提出致しました。
私は、党の社会保障制度調査会介護委員会事務局長として、田村憲久委員長の下でとりまとめにあたりました。

この法案の内容は、認知症施策の推進を国の責務と定め、共生と予防を柱に認知症の人の尊厳が守られ、認知症になった本人や家族の意向が尊重されるべきことを理念に掲げています。

また同法案の対象は患者本人だけではなく、支えるご家族への支援も含みます。そして公共交通事業者はじめ国民の皆さまにも、認知症患者の社会参加に協力いただき、真のバリアフリーを実現するための努力義務をお願いしています。

若者も高齢者も、みんなが“納得”できる社会保障制度を

認知症になっても安心して暮らせる社会を作るために、「困ったときはお互いさま」の精神で支え合っていきたい。認知症基本法案には、そうした願いが込められています。

人生100年時代、いくつになっても、要支援でも、要介護でも、望む人には活躍できる場がある社会を作ることが必要です。
皆さんの力を1日1時間、2時間でも力を貸していただけたら。認知症を見守るサポーターや子ども食堂の手伝い、そうしたことに、1人でも多くの方の時間を貸していただけたら、社会はもっと住みよくなる。
これが、若者も高齢者も納得できる社会保障制度を導く方策の一つであると、私は確信しています。

この秋には臨時国会の召集が予定されています。わたし自身も当事者として次期国会での成立を目指し、全力で取り組んで参ります。